別居の親を子供の扶養に入れる方法と注意点

別居している親を子供の扶養に入れる方法と注意点について解説します。

まず、親を扶養に入れる場合には、税法上の扶養と健康保険上の扶養があり、それぞれメリットとデメリットがあります。

親を扶養に入れるメリット・デメリット

・親を扶養に入れるメリット

税法上の扶養については扶養者側に節税メリットがあります。

例えば70歳以上の親を扶養に入れた場合、所得税は58万円、住民税は45万円が控除されます。

仮に扶養者の年収が500万円だとすると、所得税率は20%、住民税率は10%なので

所得税:11.6万円(58万円×20%)

住民税:4.5万円(45万円×10%)

となり、合計16.1万円の節税になります。

※社会保険料の控除や、扶養家族の人数、自治体などで税額の計算は異なる

健康保険上の扶養については親の保険料負担がなくなるというメリットがあります。

親が今支払っている額によっては、年間数万円から十数万円が節約できる可能性があります。※健康保険料については、年齢や自治体、年金収入によって異なる

・親を扶養に入れるデメリット

親が扶養に入ると、高額療養費制度の自己負担限度額が高くなることがあります。

これは、所得に応じて自己負担の限度額が決められるためですが、扶養に入ることで扶養者である子供の収入が所得の基準となるため自己負担限度額が増えてしまいます。

例えば、扶養に入ることで所得が「一般所得者」から「現役並み」となった場合、外来負担は月1.8万円から約8万円に増えます。

ただし、この外来負担の増加額が、健康保険料の免除額と節税可能額の合計を上回らない限りは、扶養に入った方がお得です。

親を扶養に入れる条件

それぞれの扶養には条件があり、一定の条件を満たせば両方の扶養に入れることが可能です。

・税法上の扶養に入れる条件

税法上の扶養に入れる条件は2つです。

①納税者と生計をともににしている

②年間の合計所得金額が48万円以下である

①扶養に入れるには、基本的に生計を同一にしていることが求められます。別居していても、生計をともにしていれば認められます。

②年間の合計所得額が48万円以下である必要があります。年金を受給している場合は、控除額を差し引いて合計所得を計算し、年間の合計所得が48万円以下であれば認められます。

・健康保険上の扶養に入れる条件

健康保険上の扶養に入れる条件は3つです。

①扶養者と生計をともにしている

②親が75歳未満である

③収入が制限額を超えていない

①は税法上と同じです。

②年齢について、健康保険は75歳未満が対象のため、75歳以上の方は扶養には入れません。その場合、必要に応じて75歳以上が対象の後期高齢者医療制度や、高額療養費制度へ加入することになります。

③収入の制限金額は同居か別居かにより異なります。

同居:年収130万円未満かつ被保険者の年収の半分未満

別居:年収130万円未満かつ被保険者の仕送り額未満

※親が60歳以上または障害年金受給者の場合は年収180万円未満。

税法と健康保険の両方の扶養に入れるための条件

税法と健康保険の両方の扶養に入れるためには以下の条件を満たす必要があります。

①親の年齢:75歳未満

②親の年収:108万円以下(65歳未満の場合)、130万円以下(65歳以上の場合)

親を扶養に入れる手続き

親を扶養に入れるための手続きは、税法と健康保険のどちらの場合でも、扶養者が勤めている会社に申請します。

・税法:「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を年末調整までに提出

・健康保険:加入時に「被扶養者(異動)届」と続柄・収入要件確認の書類を提出

年末調整時に仕送りしていることを証明する書類等を提出しなければならないかどうかは、扶養親族が国内にいるか国外にいるかで異なります。

国外にいる場合は送金関係書類の提出が義務付けられていますが、国内の扶養親族については提出する必要はありません。

ただし、国税庁は、会社側は「正しい扶養控除の計算を行うために、『銀行振込や現金書留により送金している事実を示す振込票や書留の写しなど』で確認できるような状態にしておくことをお勧めします」と言っていることから、別居の親へは生活費を手渡しするのではなく、送金して記録を残しておく方がいいでしょう。

別居の親を子供の扶養に入れる際の仕送り額はいくらか?

仕送りの額については、今までは具体的な数字はありませんでしたが、2020年の税制改正で、国外にいる親族を扶養の対象とする要件の1つに「年38万円以上の生活費の送金」という具体的な数字が出てきたことから、今後は国内にいる親族の場合も年38万円以上の仕送りが必要となると考えられます。

まとめ

別居している親を子供の扶養に入れることは、条件を満たせば可能で、税法上の節税効果や健康保険の保険料が節約できる効果があります。

条件とメリット・デメリットを確認してメリットがあるのであれば、上記を参考に親を扶養に入れることをおすすめします。


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